bluegrasswise ブログ

日本列島とほぼ同じ緯度にあるアパラチア山脈、どことなくその人情も日本人に通じる 南部アパラチアの田舎から生まれたオーガニックでエコなアコースティック音楽(共鳴 /共生)、そして1960年代以降のヒッピー文化を含むカウンターカルチャーとの出会い で自由な個々人の感性を尊重する非マウス音楽として人知れず世代を越えて広まりつつあるブルーグラス(bluegrass)にかかわる(wise)ブログです。

Stuart Duncan & Noam Pikelny 来日決定!

https://bit.ly/2u2UR0a

Peter Barakan's LIVE MAGIC! 2018

 現在、まぎれなく世界最高のフィドルバンジョー奏者であるステュアート・ダンカン&ノーム・ピケルニーが来日します。
 2014年以来、正式にフィドルバンジョー ユニットとしてツアーを組むふたり、ステュアートは「ジャズボーカルの女王」と呼ばれるダイアナ・クラールエルビス・コステロの妻)と、またノームは「世界最高のストリングバンド」パンチブラザーズと、ふたりともに2016年の2月と7月に来日、今回2度目の来日となります。

 ブルーグラス70年+の歴史が生み出した最高の楽器奏者であるばかりではなく、ジャズやクラシック(ステュアートはヨーヨー・マとの共演でグラミー受賞)の世界でも高い評価を受けながらも心底ブルーグラス奏者であることの軸足を動かさない姿勢は、20世紀後半にマーク・オコナーやベラ・フレックらが挑戦してきた壁を超えたところにある、まったくあたらしいブルーグラス世代といえるでしょう。2016年の来日時にステュアートは池袋でワークショップ、ノームは単独で第45回記念宝塚ブルーグラスフェスに参加してくれました。そのときに接した多くの人は、ふたりの深いブルーグラス愛を感じられたことと思います。

 19世紀はじめに南部アパラチア山間部で、スコットランドやイギリスなどヨーロッパからもたらされた「フィドル」(バイオリン)によるダンス音楽とバラッド(物語り歌)の旋律が、西アフリカからの奴隷貿易でもたらされた「バンジョー」というコードとリズムを生み出す楽器と出会いました。バンジョーという楽器の特殊性ーーネックの途中から最上部に高音弦があるーーからシンコペートする「ブーンチック(Boom Chicka)」リズムを生み出し、それがアメリカンポップの源流となって行く……と、わたしは考えています。すなわち、フィドルバンジョーの出会いがアメリカンポップの源流であると……。

 そんなふたつの楽器が信じられないテクニックでウキウキ/ワクワク、じっとしてられないアンサンブルを聴かせてくれます。……関東地方の方、お見逃しなく!!

Peter Barakan's LIVE MAGIC! 2018
【開催日】
2018年 10月20日(土)/ 10月21日(日)
【開場/ 終演予定】
10月20日(土)開場 12:00 / 21:30 終演予定
10月21日(日)開場 12:00 / 20:00 終演予定
【会場】
恵比寿ガーデンプレイス ザ・ガーデンホール / ザ・ガーデンルーム

www.livemagic.jp

Stuart Duncan & Noam Pikelny Videos:


Stuart Duncan & Noam Pikelny - Wheel Hoss [Live at WAMU's Bluegrass Country]

 


Noam Pikelny and Stuart Duncan - "Tallahassee" Rehearsal


Noam Pikelny and Stuart Duncan - "Sad and Lonesome Day" Rehearsal

フラット&スクラッグス来日50年

https://cdn.bluegrasstoday.com/wp-content/uploads/2014/10/flatt_scruggs_th.jpg

「半世紀前のフラット&スクラッグス来日!」の投稿を募集しています。

7月14日放送のNHK-FMピーター・バラカンのウィークエンドサンシャイン」にゲスト出演します。テーマは「フォークウェイズ70周年!」。

収録前夜に電話してた麻田さん、「フォークといえば麻田さんでしょ!」と、ピーターにお願いして急遽「飛んで火に入る夏の虫」になってもらい番組参加もらいしてました!

 

1968年3月、50年前にブルーグラスバンドとして初めて来日したフラット&スクラッグスの公演を「観た!」、または「観たかった!」という皆さん、当時を体験していた人たちの思い出や印象、またはその時代を体験できなかったという世代のメッセージなど、ブルーグラス史に大きな足跡を残す「半世紀前のフラット&スクラッグス来日!」というテーマの投稿を募集しています。―――なおフラット&スクラッグス来日に関して、ムーンシャイナー誌1988年3月号で当時「カントリー&ウエスタン」誌の真保 孝、吉村正昭両氏の来日のいきさつや東京公演リポート、また今年3月号では大阪公演を主催した真島謙治さんや前座出演をした大阪歯科大学の小石雅也さんや関西学院大学の福冨正俊さんらのリポートなどが特集されています。

締め切りは7月10日、投稿の長さはご自由です。50年前、皆さん何してました? ぜひこの機会に皆さんの人生の一部のすばらしい音楽体験をお知らせください!

ムーシャイナー誌編集長:井上(渡辺)三郎

宝塚ブルーグラスファミリーバンド

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 rare performances!!

  ……“Music in the Air
 19世紀にヨーロッパの旋律とアフリカのリズムが南部アパラチアで出会ったブルーグラスは代々、小さな山郷のコミュニティで家族を通じて伝わってきたアコースティック
でオーガニックな伝承音楽が直系のルーツです。
 父・三郎と母・由利子、兄・太郎と妹・ゆい子の――フィドルバンジョーマンドリンとベース――、宝塚BGファミリーバンドに予定調和の気はありません。家族という最小ユニットで、暖かくもホノボノとした……、またときにはトゲトゲしい相克の……、「音」の気配を楽しんでみませんか? 何がはじまるか……!? 目を見て、息を感じて自然に音を出す、そんな宝塚BGファミリーバンドの、とても珍しい4人揃ったライブです。
みなさんもご一緒に、そんな気配(Air)に触れてみませんか?

●5月10日 木曜日
会場:銀座・ロッキートップ(03-3571-1955)
  (東京都中央区銀座7-8-19 東京ビル3F)
7時半開演(3 sets)、BC¥3,000-
http://www.liverocky.com/


●5月12日 土曜日
「マンモスハローキャンプ」
会場:PICA富士西湖(予約参加のみ)
http://www.mammothschool.com/2018/02/hellocamp-2018-official-site/


●5月13日 日曜日
清里ブルーグラス・リビング」
17:30オープン 18:00スタート
会場:清泉寮内キャンプ場メインホール
  (山梨県北杜市高根町清里3545)
一般1500円(ドリンク別) 、学生1000円(ドリンク別) ※要学生証提示、中学生以下無料
当日はソフトドリンクのみ販売致します。飲食物は各自お持ち込み頂いて結構ですが、スムーズな運営のためゴミの分別にご協力ください(※アルコール類のお持ち込みも可
能です。くれぐれも飲酒運転をすることが無いようお願いいたします)。
出演:宝塚ブルーグラスファミリーバンド
   O.A ユタカ&ヨーヘイ
主催/お問い合わせ:
   岩下マンドリンズ&ギターズ(080-5422-3377)、iwashita.mandolins@gmail.com
https://www.facebook.com/yutaka.iwashita.3

 

●5月14日 月曜日
会場:大船「和・豊田」(小料理屋さん)
18:30開場 / 19:30開演
ライヴチャージ¥3,000-
飲み物/食べ物 各¥500-
ご予約<和・豊田> 0467-46-1140
JR大船駅から徒歩約5分
https://twitter.com/wa_toyoda

 

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カーリー・ストリングス

http://www.curlystrings.ee/wp-content/gallery/curly-strings/Kroot_Tarkmeel-CS2.jpg 

Curly Strings

カーリー・ストリングスについて、タワーレコード北中正和さんのコラムが目に止まったので編集長に確認した処、来日時のムーンシャーの特集があるよ。ということで掲載します。

尚、この記事は2016年の秋に掲載されたものです。記事中の公演スケジュールはすべて終了しています。

注:記事は画像になっていますので、読みにくい場合はお使いのブラウザの設定のズームで拡大表示して下さい。

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Curly Strings - Kuu


CURLY VOICES (Curly Strings & Estonian Voices) - Mul on hea

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Jon Glik フィドルワークショップお誘い その2

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ジョン・グリック フィドルワークショップ

ジョン・グリックのムーンシャイナー誌4月号の記事と“Live and Let Live”アニーの楽譜と音源をアップしておきます。

掲載ページ:8〜14p

最後にp12に掲載の“Live and Let Live”の譜面と音源をアップしてありますので参考にして下さい。

ムーンシャイナー誌4月号「ジョン・グリック特集」
(ご購入や定期購読はhttp://www.bomserv.com/MoonShiner/

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“Live and Let Live” fast ver. by Annie Staninec

“Live and Let Live”“Live and Let Live” slow ver. by Annie Staninec

“Live and Let Live” by Jon“Live and Let Live” Glik with Dan Paisley & Sout hern Grass from “Forty Years Late”
“Live and Let Live” transcribed by Annie Staninec

Jon Glik フィドルワークショップお誘い

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ブルーグラスな皆さまへ

さわやかな春にフィドルワークショップのお知らせです。週日ですが、二次会の打ち上げピッキンパーティー込みの合計4時間のプログラムです。
ムーンシャイナー誌4月号特集に紹介したように、デル・マッカーリー名盤での録音やダニー・ペイズリーやデビッド・グリスマンとの活動で知られる現在では希少な存在となりつつある叩き上げのブルーグラスフィドラー、ジョン・グリックのワークショップです。パーフェクトでファンシーなフィドラーたちとは違い、ダウンホームでアーシーな魂のこもったジョンのフィドルから初心者/上級者の別なく、もっとも大切な「フィドルが歌う」インプロバイズ感覚をそれぞれのテクニックに応じてリズムとコードに乗って身につけるノウハウを体験したいと思います。

“Jon Glik” Fiddle Workshop & Potluck Pickin' Party

ジョン・グリック「フィドルワークショップとポットラックパーティー」

  • 5月9日(水)18:00~22:00
  • スタジオ「カジュアライズ」(JR池袋駅徒歩3分)http://casuarise-studio.com/
  • 参加料 ¥3,000-(学生証提示¥2,000-)
    18時からワークショップ、20時以降のピッキンパーティは各自飲食物持ち込みにて(コンビニ歩1分。冷蔵庫、自動製氷機、電子レンジや料理道具セットなどを含む厨房あり。ただし22時までに原状回復のこと)。

 詳細は以下のプログラム参照

  • 世話役/司会:月刊ブルーグラス専門誌「ムーンシャイナー」編集長、井上(渡辺)三郎。
  • (問、予約申し込み)fiddleandbanjo@nifty.com、または080-3819-8818

【プログラム】
18:00~19:45 Jon Glik Fiddle Workshop
フィドル ワークショップ」
●テーマ:歌うブルーグラスフィドルの本質
 ブルーグラスフィドルの醍醐味である「歌うこと」の重要性を、初心者/上級者のテクニックとは関係なくボーカリストのように感情を込めるフィドルノウハウを、以下のようなサンプルで考えていきます
●フィドリン・アーサー・スミス以来のブルースリック。e.g.:“Florida Blues”から
“Foggy Mountain Special”へ


Arthur Smith's Composition "Florida Blues"

 用例:マウンテンマイナー(≒ブルーノート)によるインプロバイズ
●スリーコードの典型展開
「Ⅰ-Ⅳ-Ⅰ-Ⅴ」(e.g.:“I'm On My Way Back To The Old Home”)や
「Ⅰ-Ⅳ-Ⅴ-Ⅰ」(e.g.:“Blue Ridge Cabin Home”)におけるダブルストップのインプロバイズ。
(ムーンシャイナー誌4~5月号「私的ブルーグラスの弾き方」およびそyoutube実践“moonshiner 201804”参照)
ブルーグラスキーと言われる「Key of B Natural」でのインプロバイズ。
e.g.:“Live and Let Live”
(ムーンシャイナー誌4月号12頁に楽譜、音源はB.O.M.サービス、ムーンシャイナー誌2018年4月号紹介サイト
http://bomserv.com/MoonShiner/list/2018.html
の目次の下にあります)
●そのほか、ブルーグラス奏法によるフィドルチューンにおけるオールドタイムフィドルチューンのインプロバイズについて。
e.g.:“Bill Cheatham”。
また、モンローのインストチューンのツインやトリプルフィドルのノウハウ。リード奏者のコードフォームの見た目(地図)から発想するテナーパートやバリトンパートの取り方など、時間があれば取り上げたいと思っています。

20:00~21:30 Potluck Pickin' Party
ポットラックパーティー」
 ジョンを囲んだ各自(自分用)飲食物持ち込み、参加自由の交流二次会/飲み会を兼ねたピッキンパーティーです。フィドラーのみならずさまざまな楽器奏者も大歓迎です。コンビニへは徒歩1分!!

 以上、参加希望の方はご予約いただければ幸いです。……楽しみましょう!! 

60年前の新聞売りのジミイ少年

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「日本ブルーグラスの夜明け」

今年もよろしくお願いします。 管理担当より
2018年最初の記事になります。編集長からのお願いです。

 

35年目を迎えていますブルーグラス月刊専門誌「ムーンシャイナー」、2018年1月号の特集は「日本ブルーグラスの夜明け」と題して、ちょうど60年前の1958年1月、日本最初のブルーグラス音源として発売された7吋(インチ≒18cm)シングル盤(45回転)を機に、日本発売されたシングル盤、全19枚を、コレクターの永井英夫さんの協力で紹介しています。
そして2月号からはシングル盤最初の1枚、レスター・フラット「新聞売りのジミイ少年“Jimmie Brown, the Newsboy”/山小屋で“Blue Ridge Cabin Home”」(日本コロムビア、Columbia LL-101)から、19枚目の1972年4月発売のカントリー・ガゼット「ホンキー・キャット“Honky Cat”/ダウン・ザ・ロード“Down the Road”」(東芝EMI、Liberty LLP-10482)まで、発売順に19枚をシリーズ紹介して行く予定です。シングル盤発売ということは、ある程度のヒットを目指した商品であることから、当時の社会や音楽状況も興味深いところです。

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http://www.bomserv.com/MoonShiner/

ただ若輩モノのわたし、1958年といえばまだ9歳。いくらなんでも、ブルーグラスとは無縁です。もし皆さんの中で、1958年1月発売のレスター・フラット「新聞売りのジミイ少年“Jimmie Brown, the Newsboy”/山小屋で“Blue Ridge Cabin Home”」のシングル盤に関して、何かの接点や思い出などありましたらお寄せいただけませんか?

 

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写真提供:永井英夫

ちなみに同じ1958年4月には、7吋EP盤(45回転)4曲入りのフォギー・マウンテン・ジャムボリー「新聞売りのジミイ少年“Jimmie Brown, the Newsboy”、フリント・ヒル・スペシャル“Flint Hill Special”/花のような恋人“Your Love Is Like a Flower”、フォギー・マウンテン・チャイム“Foggy Mountain Chimes”」(日本コロムビア、Columbia EM-212)が発売されています。また、二枚目の7吋シングル盤の日本発売は1959年12月発売、 ドン・レノ、レッド・スマイリーとテネシー・カットアップス「ディキシーブレイクダウン“Dixie Breakdown”/いつわりの涙“Your Tears Are Just Interest on the Loan”」(東京芝浦電気、Angel HM-1058)となっています。
上記二枚についても、その思い出や当時の様子など、何かありましたらお寄せください。

 ブルーグラスにかかわる皆さんの記憶や思い出を、日本のブルーグラスコミュニティに留め置くべく、皆さんの協力をお願いします。

ムーンシャイナー誌編集長、井上(渡辺)三郎