bluegrasswise ブログ

日本列島とほぼ同じ緯度にあるアパラチア山脈、どことなくその人情も日本人に通じる 南部アパラチアの田舎から生まれたオーガニックでエコなアコースティック音楽(共鳴 /共生)、そして1960年代以降のヒッピー文化を含むカウンターカルチャーとの出会い で自由な個々人の感性を尊重する非マウス音楽として人知れず世代を越えて広まりつつあるブルーグラス(bluegrass)にかかわる(wise)ブログです。

1965-09-03 ブルーグラスフェスの始まり。

ちょうど50年前の今日9月3日、バージニア州ロアノーク郊外の農場で世界初の3日間にわたるブルーグラスフェスが始まりました。

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1965年のことです。東京オリンピックの翌年、ピーター・ローワンを擁したビル・モンローをはじめ、ブルーグラス界の大物が一堂に会して開かれたブルーグラスフェスには当時13歳のサム・ブッシュや16歳のトニー・トリシュカやブッチ・ロビンス、20歳のデビッド・グリスマンら、そののちのブルーグラスをリードしていく人たちが集まって来ましたが、観客の総数は250人ほどだったといいます。

そんなブルーグラスは1960年代後半以降、折からのヒッピームーブメントと呼応するカウンターカルチャーに押されて、急速に世界に広まっていきます。

 

ちょうど70年前の1945年、南部アパラチア(*)音楽をルーツにビル・モンローとアール・スクラッグスという、ふたりの天才ミュージシャンによってブルーグラスというスタイルの音楽が生まれました。

音楽様式としては、それぞれ独自の奏法を持つマンドリンバンジョーフィドル(バイオリン)、ギター、ベース、そしてドブロ(10年後の1955年に加わったリゾネーター/スライドギター)が、様々な組み合わせのアンサンブルで奏でるバンドサウンドと、デュエット、トリオ、カルテットのハーモニーを伴ったボーカルが組み合わさったものが基本ですが、現在では1945年以前のオールドタイム音楽や、1970年代以降のニューグラスと呼ばれる音楽なども含む、包括したジャンルと捉えられています。
(* アパラチアは北米大陸の東側、ニューヨークからアラバマ東部を走る大山脈)

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70年前に誕生したブルーグラスは、南部アパラチア伝統を受け継ぐアコースティック音楽という自然回帰を基礎に、世代や人種/地域を超えた個々のミュージシャンの感性が積み重なっていくというオーガニックでエコな音楽です。1960年代後半に、世界の若者たちが初めて共有した「自然」と「自由」という価値観から生まれる音楽だと思います。