ジャズ・ベースの巨匠チャーリー・ヘイデンとJefferson Airplane&Hot Tunaのヨーマ・コウコネン その2
前回は、ジャズ・ベースの巨匠チャーリー・ヘイデンのアルバムをメインにしましたが、本日はヨーマ・コウコネンです。
前回も少し触れましたが、彼のインタビューではブルーグラスの伝説のバンドがいくつも出てきますし、よく演奏も見に行っていたようですね。
その後にロックに出会い、Jefferson Airplaneが誕生します。その当時、同じルーツをもつジェリー・ガルシアとセッションのしており、ブルース・ジャムとして有名なthe Airplane House Jamが1969年に行われます。
そんな彼の背景を前提に、彼のアルバムを聞くとまた面白いのではないかと思います。
JORMA KAUKONEN『Stars in My Crown』
Fur Peace Rag/Rivers of Babylon/Man Come Around/Will There Be Any Stars in My Crown? 他全14曲
団塊の世代のど真ん中の余裕と貫禄、そして年輪の生む癒しを見事にアコースティック・ギターに語らせるヨーマ・コーコネンの2007年作。
ロックの名門ジェファーソン・エアプレーンやホット・ツナで知られるヨーマ、ベースにルーツ音楽としてブルースと カントリー感覚を持ちつつ、ラグタイムからカリプソ/レゲエ、アーリー・ジャズ/カントリー/ブルースなど、全編で誰にもスッと入ってくるアメリカ音楽を暖かく、優し く聴かせる。前作『Blue Country Heart』で、サム・ブッシュやジェリー・ダグラスらとホクホクのジャム感覚のアコースティック作品を創った彼、 今回は元スカイラインのバリー・ミターホフ(m)、グッドオール・パーソンズのサリー ・バン・メーター(d)ほか、サム・ブッシュ・バンドのバイロン・ハウス(bs)とクリス ・ブラウン(drums)をベースにした基本セットで、ライトニング・ホプキンスやゲイリ ー・デイビスらのブルース、ジョー・コッカーやジョニー・キャッシュ、ロイ・ブック ・バインダーらの曲で、ブルー・ハイウェイの面々らマールフェス人脈とともに、その 素朴なボーカルとギターの響きがホッコリとした気分にさせてくれる大人の癒し作品。
RHR-202 JORMA KAUKONEN『Stars in My Crown』
COL-86394 JORMA KAUKONEN『Blue Country Heart』
”BOMサービス”ニュースレター #263 2002年8月17日より
ムーンシャイナー8月号で特集のヨーマ・コーコネン最新作はサム・ブッシュ、ジェリー・ダグラスらと共 にデルモアやジミー・ロジャースらのオールドタイム・ソングを独自のブルース感で昇華した秀作。
アパラチア からピードモント一帯の“雰囲気”が伝わヨーマの説得力、それに応えるミュージシャン魂、これは昨年来の 『オー・ブラザー!』現象と、今年夏の最大の話題『ジャムグラス』ムーブメントの見事な結晶だ。
クレジット
- Banjo – Béla Fleck (tracks: 2, 5)
- Bass, Backing Vocals – Byron House
- Guitar, Vocals – Jorma Kaukonen
- Mandolin, Fiddle, Backing Vocals – Sam Bush
- Producer – Roger Moutenot, Yves Beauvais
- Resonator Guitar [Dobro], Slide Guitar [Weissenborn] – Jerry Douglas
ジャズ・ベースの巨匠チャーリー・ヘイデンとJefferson Airplane&Hot Tunaのヨーマ・コウコネン その1
先日編集長と話をしていまして、ボブ・ディランがビル・モンローに影響を受けていたこと、ラルフ・スタンレーの”Clinch Mountain Country”に参加し、このアルバムが99年のグラミーにベスト・ブルーグラス・アルバムでノミネートされたことで、ディランファンにもそのことが認知はされていますが、その辺のことをブルーグラスサイドから、関係も含めきちんと日本語の文章として情報がのこされていないので、追々このブルーグラスワイズで情報を整理いたしね、と言う話になりました。
ではこの話と本日のタイトルとどんな関係があるかと、いうことになりますね。
ご存じの方も多いと思いますが、チャーリー・ヘイデンとヨーマ・コウコネン、それぞれ幼少期と言うか少年時代、ブルーグラスやカントリー音楽が身近にある環境でした。
その辺の影響が多大で、ヨーマ・コウコネンの方はジェリー・ガルシアと仲良くなったり、チャーリー・ヘイデンは”Family & Friends: Rambling Boy”を作ったようですね。
この辺の情報が2002年のムーンシャイナーにアルバム紹介記事として掲載されていましたので一部転載いたします。
また、2002年は奇しくも”サム・ブッシュ・バンド”、”ヤンダー・マウンテン・ストリング・バンド”、”ジョン・コーワン・バンド”、そして”デビッド・グリマス・クインテット”が”Jamgrass Tour”として全米ツアーを行なった年でもあります。
下記サイトでこのアルバムのメイキングが公開されています。
CHARLIE HADEN『Family & Friends: Rambling Boy』 Single Girl,Married Girl/20-20 Vision/Wildwood Flower/Ocean of Diamonds/Voice from on High/Sally Garden/Tramp on the Street/Shenandoah 他全19曲
1曲目のカーター・ファミリー・ギターとマンドリン・チョップを聴いただけで幸せになるブルーグラス/オールドタイム・リスナー冥利、…が、これがジャズ・ベース巨匠のチャーリー・ヘイデンのアルバムなのだから驚く(ちなみにギターはブライアン・サットン、マンドはサム・ブッシュ)。
以降、ビンス・ギル、ブルース・ホーンズビーのアドリヴに満ちたジミー・マーティンで知られる"20/20 Vision"、ロザンヌ・キャッシュとパット・メセニーの"Wildwood Flower"、エルビス・コステロとのハンク・ウィリアムズ"You Win Again"、その他、モンローのきびしいゴスペルからブッシュ/ダグラス/フレック/サットンらの弾きまくり"Old Joe Clark"まで。
実はチャーリー・ヘイデンの息子や娘達、妻までもフィーチャーしているのだが、そのどれもが見事。
1937年、中西部生まれのチャーリーが2歳から家族のラジオショウに出演、マザー・メイベル・カーターが自宅の居間で歌っていることを覚えているという経歴、その後チャーリー・パーカーを聴いてジャズを志してからもグラディ・マーティンやハンク・ガーランドとのセッションで学資を稼いだという経歴が語るとおり、まさに、めちゃくちゃお値打ちの戦後世代の「アメリカ音楽のルーツ旅行」。
この企画を考えたリッキー・スキャッグス・バンドのベーシスト、マーク・フェインに脱帽、見事なブルーグラス作品!!である。
マイケル・デイブズ 超ブルーグラス原理主義者?!!
本日は編集長に代わってブログ管理人が書かせていただきます。
マイケル・デイブズ。どちらかと言うとクリス・シーリとのアルバム>『Sleep with One Eye Open』でご存知かたも多いともいます。
ムーンシャイナー2011年7月号より
超ブルーグラス原理主義者 マイケル・デイヴス
クリス・シーリの天才については、60余年のブルーグラス史に現れたビル・モンロー
を凌駕するストリングバンド音楽の改革者、かも知れない、というビミョーな位置に置
いて、もうトヤカク言うのは止そう。少なくとも、サム・ブッシュやデビッド・グリス
マンよりはるかに、その衝撃波が大きいことだけは、胆に刻んで……。
そのクリスが、マイケル・デイヴスという若者と、昨夏のパンチ・ブラザーズ第3作
(公式には第2作)『Antifogmatic』につづいておそらく今年のブルーグラス最高作の
ひとつ、オールドタイム・ブラザーデュオ作品『Sleep with One Eye Open』(左写真
)を発表した。クリスと対で組む奴、……マイケル・デイヴスってどんな奴だ!?と思え
ば、やっぱ、そんな奴……、超ブルーグラス原理主義者!?
本日の主役は”クリス・シーリ”ではなく、あくまで”マイケル・デイブズ”です。
彼の新作”Orchids and Violence”。タワレコのコピーには、
「ブルーグラスのトラディッショナル曲を、伝統的なアレンジと実験的ロックの2通りで解釈した野心的な作品」とあり、Side1がブルーグラス・サイド。Side2がエレクトリック・サイドの構成で、同じ曲をアレンジを変えて演奏してます。
ブルーグラス・ファンにはSide1なのでしょうが、是非此のアルバムがSide2をじっくり聴きこんでいただきたいです。
個人的には”ジャムグラス”好きとか”デッド・ヘッズ”には受け入れていただけるアルバムじゃないかと思います。
このアルバムのことを教えくれたのは横浜の島田耕さん、
「ブルックリンのサブカルの今を知るには良いアルバム。」ということです。
「第3回 アールの日、ゲスト:宮本有」
「第3回 アールの日、ゲスト:宮本有」
日曜日の午後、軽くビールしながら、スリーフィンガーバンジョー(ポリリズム)を楽しみませんか?
初心者から上級者まで、バンジョー弾きと、「バンジョー弾きって何考えてんねん……!?」と思っている人たちのための楽しいミーティングにしたいと思います。
是非お気軽にご参加ください。
●3月20日(日)14時~17時。
●兵庫県西宮市・JR甲子園口駅前・ダートマスクラブ(0798-66-4911)。
https://www.facebook.com/dartmouthclub/
●大人¥2000- 学生¥1000-(1drink付き)
●プログラム
- 14:00~14:15
Greetings and Opening Jam - 14:15~15:00
いかにメロディを五弦表現するか? 季節柄、思いついた「春が来た」。誰でも知ってるこの童謡の旋律をどう弾くか?……この曲を課題曲としますので当日、参加者のアレンジもぜひ披露してくださいね。さまざまなノウハウを楽しみましょう。 - 15:00~16:00
ゲストの宮本氏が今年のムーンシャイナー1月~2月で連載特集したアール宅を訪問したときのビデオを鑑賞し、アールの人柄に触れながら、その中で紹介される“Brown's Ferry Blues”など、ムーンシャイナー誌掲載のタブ譜も参考にアールの奏法を学んでいきます。 - 16:00~17:00
ブルーグラスというジャンルの音楽性の根幹を成すと考える五弦バンジョーのスリーフィンガー奏法(ポリリズムとシラブル!)とバンジョーという楽器に関するあらゆる質疑応答などを歓迎します。そして参加者のうち希望者による演奏やジャムで、三々五々解散。
(問)fiddleandbanjo (a) nifty.com(サブさん)
ステュアート・ダンカン 「フィドル ワークショップ」
ステュアート・ダンカン 「フィドル ワークショップ」
~ジャズボーカルの女王という言われるダイアナ・クラールのバックアップとして30年ぶりに来日する世界一のフィドラー、ステュアート・ダンカン(51)。
ヨーヨー・マらとの『Goat Rodeo Sessions』でグラミー受賞(2013年)をはじめ、ブルーグラスをベースにオールドタイムからブルース、ジャズ、ロックなどジャンルを超えた活躍をつづける世界最高のフィドラーによるバイオリンのワークショップです。
ステュアートによる
セットアップのアドバイス
ツールへの脳と指のシンクロ
メロディとバックアップのアプローチ法
インプロバイズ/タイミング/テイスト/トーンの分析
などをテーマに、その至芸とともにお楽しみください。
- 2月26日(金)18:00~
- フォルテ・オクターヴハウス
〒171-0022
東京都豊島区南池袋1-26-9 第2M.Y.T.ビル8階
03-3982-8711
池袋駅東口より徒歩1分、1~3階がユニクロのビル8階 - 参加費用:¥6,000-(定員あり)
- お問い合わせ:サリーアン fiddleandbanjo@nifty.com
0797-85-8384(渡辺三郎) - 協力:Jazz Violin Direction Japan
Bluegrass Journal“MoonShiner”