I'm With Her 最終日です。
I'm With Her (サラ・ワトキンズ、サラ・ジャローズ、イーファ・オドノバン)の大阪公演も月曜日に無事終わり、昨日は待望のデイオフで京都観光を楽しみ、いよいよ今晩の東京ブルーノート公演を残すのみとなりました。
大阪では“How Mountain Girl's Can Love”ではじまり、アンコールにスタンレーのハイロンサム曲“Darkest Hour Is Just Before Dawn”で終わるという、ブルーグラスファンにも嬉しいコンサートでした。さまざまなカバーに自分たちのオリジナルを混ぜ、またトラッドフィドルチューンや複雑なオリジナルインストなど、フィドルとギターにマンドリン、バンジョー、オクターブマンドリンなどを駆使して「アパラチアの山の精」に導かれた三人娘……といった、とても感情豊かなライブでした。
会場のうしろから観ている人によるとお客さんが彼女たちのビートとともに静かにうねっていた(映画『オーブラザー』の川での妖精!?たちとの出会いを思わせた)といい、また東京のライブマジックでは、同時進行の室内フェスの中、彼女らの演奏に多くの観客が集まり、その歌声やサウンドに、「涙が出そうになる……」などという声が多く聴かれたといいます。そーいえば、大阪のトークショウでは“Down To The River To Pray”も歌ってくれ……。
ブルーグラスで生まれ育ったようなふたりのサラ、そして大学に入ってブルーグラスをはじめたというイーファ。表面に「ブルーグラス」という看板を掲げるわけでは決してないけれど、日本人が幕末以来受容してきたスコットランド由来のアパラチアンボイスが、多くの音楽ファンの胸を打ったことは間違いないと思います。長年のブルーグラスファンとして、これほど嬉しく、かつ誇らしいことはありません。
サラサライーファ本日日本へ。I'm With Her
未確認情報。今日、I'm With Herのサラ・ワトキンス、サラ・ジャロウズ、イーファ・オドノヴァンが日本に着くような
サラ・ワトキンス、サラ・ジャロウズ、イーファ・オドノヴァン。アメリカーナ~ルーツ・ミュージックを牽引する才女3人がユニット“アイム・ウィズ・ハー”で登場する。
ワトキンスはニッケルクリークの一員として注目を集め、2009年に元レッド・ツェッペリンのジョン・ポール・ジョーンズのプロデュースで初ソロ・アルバムを発表。
ジャロウズのアルバム『Build Me Up From Bones』は、グラミー賞のベストフォークアルバム部門、およびタイトル曲がベスト・アメリカン・ルーツ・ソング部門にノミネートされた。
オドノヴァンはウェイファリング・ストレンジャーズでの活動を経て独立、その曲作りはアリソン・クラウスからも高く評価されている。豊かな音楽性、卓越した表現力。3人のパフォーマンスから、アメリカ音楽の現在が見える。(Blue Note Tokyoより)>
《I'm With Her来日公演》
I'm With Her 最後のお願い
わたし、本日9時に上海に向けて出発です。
この記事がアップされる頃は飛行機に載っているか、ひょっとしたら上海に付いているかもしれません。
さて、今日の本題です。
今月、「I'm With Her(アイム ウィズ ハー)」というユニットで21世紀を代表する若いブルーグラス3人娘が来日します。海外メディアは彼女たちを、トリオ(1987年のリンダ・ロンシュタット、エミルー・ハリス、ドリー・バートン)の再来(英 Three Chords & Truth UK誌)や、CS&Nの50年前にタイムスリップ(米 No Depression誌)と評する、21世紀のアーリーアメリカン アコースティックセンセーション!です。
21世紀を代表する「ブルーグラス三人娘」―――ワトキンズはニッケルクリークで活躍したトップフィドラー、ジャローズはマルチスーパーピッカーにして第二のギリアン・ウェルチ、イーファはヨーヨー・マらとのプロジェクト“Goat Rodeo Sessions”で2013年のグラミー最優秀フォークアルバム受賞―――20代から30代前半の「アパラチアン ボイス」の次代を背負うトップアーティストたちです。今年始動したばかりの真新しいユニット「アイム ウィズ ハー」ツアーは、東京・恵比寿のインドアフェス「Peter Barakan's LiveMagic!」(10月24~25日)、そして大阪・梅田クラブクアトロ(26日、¥6,500-)とブルーノート東京(28日、¥7,000-、学生半額)の2ヶ所では彼女たちだけの単独ライブです。ぜひとも、お見逃しなきよう……!!
チョッとオフレコ気味ですが、昨年のジェリー・ダグラス以来、ピーター・バラカンさんをはじめとした人たちの協力で、少し大きなフィールドでブルーグラスが取り上げられようとしています。来年には、サム・ブッシュ・バンドやアールズ・オブ・レスター、ベラ・フレックとアビゲイル・ウォッシュバーン、そしてパンチブラザーズなどの名前が上がったり下がったり……、それもこれも、今回の公演などの成績が大きく関係してきます。皆さん、フェスやライブで自己完結も素晴らしいですが、次世代のブルーグラスをサポートするつもりで、ぜひぜひ、お出かけください! ブルーグラスにとって、とてもいいチャンスだと思います。なにとぞ、よろしくお願いします!!!
ブルーグラスの誕生から70年、part two
”ブルーグラスの誕生から70年”のパート2です。
ブルーグラスはバンドサウンド(ムーンシャイナー2015年4月号より)
1946年9月と1947年10月の2度に渡って、現在「オリジナルブルーグラスバンド」と呼ばれる「ビル・モンロー&ヒズ・ブルー・グラス・ボーイズ」(ビル・モンローmd、アール・スクラッグスbj、レスター・フラットgt、チャビー・ワイズfd、ハワード・ワッツbs)によって録音された全28曲の特徴的なサウンドを、メディアが「ブルーグラス」と呼び始めたのは1950年代に入ってからだ。
本人たちも当時は気づかなかったかも知れないが、 現在の観点からそのジャンルで重要だったのは、「ブルーグラス音楽」の語源であるバンドが「ビル・モンローと彼のブルー・グラス・ボーイズ」と名付けられていたにもかかわらず、バンドにとってもっとも売り物のリードボーカル(スター歌手の位置)を、ビル・モンローが取らなかったことだ(のちには自身の立場とハイロンサムなボーカルの価値を認識し、多くの曲でメインボーカルを取ったが……)。モンローの人気が絶頂期だった1940年代、彼はクライド・ムーディ―やレスター・フラット、そしてマック・ワイズマンというスター歌手を擁し、育てるが、そのシャイな性格からMCさえもリードシンガーに任せ、自らはバンドリーダーに徹していたというビル・モンロー。さらにもうひとつ、自身のバンドのミュージシャン全員に、「バッターボックスに立ったとき」 のごとき集中力を求めたこと、すなはちバンド創設の最初からブルーグラスがバンドミュージックを目指したことあると言えよう。
それが1970年代以降の主なバンド、ニューグラスリバイバルやセルダムシーン、そして現在のアリソン・クラウス&ユニオンステーションやパンチブラザーズなど、彼らの時代に至っては、ギャラの配分さえもが全員イーブンであることにブルーグラスバンドの商業的姿勢が端的に表れていると言えよう。つまりブルーグラスは、スターシンガーで評価されるより、トータルなバンドサウンドで評価される、という姿勢だ。もちろん、数多の例外もあるし、バンドから一般の聴衆に最初に届くのは、すごいキックオフではなく、歌の内容とボーカリストの表現力であることは言うまでもないが。
I'm With her 関連URL一覧
今月24日から日本で公演の”I'm With Her” サラ・ワトキンス(Sara Watkins), サラ・ジャローズ(Sarah Jarosz),イーファ・オドノバン (Aoife O'Donovan)3人に関連するURLをまとめました。
まず、ニッケル・クリークで日本にもお馴染みのサラ・ワトキンス
ワトキンス・ファミリーでの活動の場合は、
ニッケル・クリークです。
サラ・ジャローズ
イーファ・オドノバン
ムーンシャイナー誌 10月号 掲載URL一覧
第26回IBMAアワードショウ ライブストリーミングがはじまる。
ブルーグラス界最大のお祭りイベント、「第26回IBMAアワードショウ」が10月1日午後7時半(日本時間10月2日午前8時半から)から開催され、同時刻からライブストリーミングがはじまる。IBMA(国際ブルーグラス音楽協会)のサイト(https://ibma.org/)のメインページから、今年のスポンサーである「Music City Roots」ロゴの下、「just click here」をクリックするだけ。ムーンシャイナー誌9月号の「2015 International Bluegrass Music Awards Naminations」リストを手に、sit back and relax...
さぁ、あなたもノースカロライナ州都ローリーのデュークエナジーセンターの特等席……!!
また今週末の10月3日、ピーター・バラカン氏がDJを務めるNHK-FM「ウィークエンドサンシャイン」(毎週土曜 午前7時20分~9時、全国放送)で、「アパラチアン ボイス」の特集があり昨日、おしゃべりが苦手な私、いつもながらにキンチョーしましたがなんとか収録してきました。エミルー・ハリスやアリソン・クラウスにつづく21世紀を代表するブルーグラス3人娘、ムーンシャイナー9月号でバイオ紹介、そして10月号でインタビュー特集した「サラサライーファ来日」(サラ・ワトキンズ、サラ・ジャローズ、イーファ・オドノバン)を意識して、アパラチアのボーカルに焦点を当て、その歴史をたどりました。よろしければ聴いてみてください。
ちなみに来日公演は東京・恵比寿(10月24~25日)、大阪クラブクアトロ(10月26日)、ブルーノート東京(10月28日)。